M/OTHER (1999)

デザイン会社に勤めるアキ (渡辺真起子) は哲郎 (三浦友和) と、互いを束縛せず自由な関係を保ちながらもともに暮らしている。そんなある朝哲郎のもとに、3年前に別れた妻の入院で親戚に預けられていた、6歳になる息子俊介 (高橋隆大) から電話が入る。哲郎は困惑し、俊介を自宅に連れて帰るが、事前に何の連絡もなかったことにアキは不満だ。やがて急ごしらえの新しい「家族」、が疑似家族的な関係となったとき、二人の生活のなかで「何か」が失われていく。二人の暮らしには母親と父親の役割が求められるようになり、お互いの自由な関係が揺さぶられ始める。哲郎とアキは苦悩し、傷つき、ぶつかりあう。そして、「M/OTHER」は、そこから現代の男と女の「真の自由と愛」をまっすぐに見つめようとする。