Bugs (2016)

食用としての虫が脚光を浴びている。数年前国連が世界の食糧危機に対抗する手段として食用虫を推奨して以来、レストラン関係者はその味を喧伝し、環境活動家は生態系への影響の少なさを強調。公衆衛生科学者たちはその豊かな栄養を訴えている。虫は、全世界の食の安全に関わるあらゆる問題を解決する新しいスーパーフードとなるのか。コペンハーゲンにその主な拠点を持つ北欧食研究所は、シェフと研究者から成るチームを作り、世界中を旅して、20億もの人々から成る、既に虫を食べている文化を調査。過去三年間にわたってこの問題に取り組んできた。アンドレアス・ジョンセン監督による「バグズ」では、欧州、オーストラリア、メキシコ、ケニア、日本やその他のコミュニティをまわり、虫の調達や養殖、調理や試食を実践する。この旅には女王蟻の暗殺や砂漠のごちそうである蜜蟻、巨大なスズメバチや人間を一時盲目にさせるほどの強力な光を使ったバッタの罠など、あらゆる体験が詰まっている。チームの経験、現地やラボでの対話、農場訪問や国際会議を通じ、深刻な問題も浮上してくる。工業的に生産される虫は、果たして世界中の強く多様性のある生態系の中にいる虫と同じように美味で有益なものなのか？虫の増産によって本当に得をするのは誰なのか？虫は我々の食システムの機能不全の象徴なのか？それともその不全を解決する魔法の薬なのか?